Date |
April 17, 2007 |
Speaker |
Dr. 時松 敏明(東京大学大学院 新領域創成科学研究科 情報生命科学専攻 有田研究室) |
Title |
植物オミックス研究のための代謝経路・二次代謝産物データベースの構築 |
Abstract |
ポストゲノム時代といわれる昨今、分析機器の飛躍的な進歩と共にメタボロミクス研究は急速に展開している。
植物は20万種以上といわれる多様な代謝産物を
産生することが知られており、食糧、医薬品(および医薬品の原料化合物)や工
業原材料として、生活に不可欠な存在となっている。このため、植物メタボロミ
クス研究により、植物の多様な二次代謝機構を解明することが基礎・応用の両面
において重要である。また、植物は科や種により生合成する代謝産物の種類が多
種多様であるため、モデル植物の研究情報を利用するためには生物種間の比較情
報が必要である。そこで、植物メタボロミクス研究を進めていくためには、遺伝
子機能や物質の同定を行うために植物の代謝(特に二次代謝)に関する良質な代
謝反応経路情報データベースおよび化学構造データベースが必要である。これま
で、一次代謝においてはKEGGをはじめ有用なDBが存在したが、植物二次代謝に関
しては十分なものが存在していなかった。
これらのことを背景に、かずさDNA研究所においてメタボロームとトランスク
リプトームを統合する植物代謝パスウェイツールであるKaPPA-Viewの構築、さら
に東大有田研においてFlavonoid-Viewerという代謝パスウェイとリンクしたフラ
ボノイド階層分類データベースの構築に従事してきた。今回のセミナーでは、こ
れら植物の代謝経路情報および二次代謝産物のデータベース化とそれを利用する
ためのツールについて紹介する。
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