HLA領域の遺伝子構成

東海大学医学部

猪子英俊

目標

 ヒト第6染色体に位置するHLA遺伝子群は,自己−非自己の識別に関与し,免疫応答の誘導に深く関わる白血球抗原をコードしています。臓器移植を成功させるためには,この HLA 抗原のタイプ(高度な遺伝子多型性による)を一致させなければならないことはよく 知られています。我々は,この4百万塩基以上からなる HLA 遺伝子全領域をすることを目標にし,

を行いたいと考えています。

成果

我々は,400万塩基のDNAのうち280万塩基に相当する部分をコスミドベクター及び YAC ベクターを用いてし,

 今後はこれらの遺伝子とHLA領域に感受性遺伝子がマップされる疾患との関係がひとつ の大きな焦点となるでしょう。

図の解説

HLA領域の遺伝子構成ヒト第6染色体短腕部のHLA領域を拡大してしめした。


参考文献

猪子英俊,木村彰方 : 生物体のまもり方(岩波講座分子生物科学11巻,本庶佑編),自 己と他の識別,岩波書店,東京 (1991) : p129-194

安藤麻子,猪子英俊 : HLA領域の遺伝子構成 (1993) 蛋白質核酸酵素増刊号「ゲノム解析研究」,38 : 392-402