蛍光in situハイブリッド法を用いるゲノムの解析

三重大学生物資源学部

  奥村克純

目標

 蛍光 in situ ハイブリダイゼーション(FISH)法は、種々のDNAクローンのそ れぞれのゲノム上での位置を、蛍光顕微鏡下に容易に決定できる方法です。この研究では、このFISH法に画像解析を利用し、データの解析を容易にしたり、スピートアップを図ること等を目標にしています。特に、FISHデータの画像化については、日本における先導的立場になるので、高感度カメラ画像解析システムの利用、紹介、普及といった点も大きな目標の一つです。さらに、このシステムを改善していくことに加えて、

といった研究が行われます。

 このような技術は、単にヒトゲノム解析計画だけでなく、他の生物種に活用したり、また、分子細胞工学のような新しい研究分野の基盤技術としても重要であり、関連研究者への技術紹介も目的の一つとしています。

成果

   FISH法の普及を目指したトレーニングコースを行う一方、高感度冷却CCDカメラ画像解析システムを導入し、この利用法や紹介を行ってきました。その結果、日本を代表するいくつかの研究室に、紹介したシステムが導入され、その数も増えつつあります。さらに、外国を含むいくつかのグループと協力して、問題点を改善していく予定です。このシステムでは、蛍光顕微鏡の新しい種々のフィルターと組み合わせ、多数のカラーで、同時に種々の遺伝子が存在する場所を示すことができます。

さらに、

といった研究を進める予定です。


参考文献

奥村克純:FISHによる核内DNAの解析・(1992)蛋白質核酸酵素, 37,1546-155