中山建男
目標
蛋白質が酵素作用など本来の働きを発揮するためには、一定の立体構造を維持することが必要です。したがって、立体構造維持に大きく関与しているアミノ酸配列を知ることは最も重要なことの一つです。
この研究では、蛋白質の持つ電荷の数(等電点)と分子のサイズ(分子量)の違いを利用して、人の組織に含まれる多数の蛋白質を分離、純化し、そのアミノ酸配列を決定することを目的とし、
この研究は酵素欠損症を含む遺伝病等の研究に役立つだけでなく、他のゲノム研究の進展のための基礎的データ作りも重要な目的の一つです。
成果
自動二次元電気泳動装置を用いて、図に示したようにヒトの脳の蛋白質を分離精製することができます。しかし、アミノ酸配列を決定するには、ある程度の蛋白量が必要なため、私共のグループでは、現在、上記目標を達成するための準備段階として、
図の解説
二次元電気泳動法で分離したヒトの脳の蛋白質。図では横軸は等電点、縦軸は分子量の違いを示しています。各蛋白質は特殊な色素で染色され、スポットとして現われています。
中山建男 : 蛋白質のカタログ作製・ (1993)蛋白質核酸酵素増刊「ゲノム解析研究」38、495-502