cDNAライブラリーの均一化

東京大学応用微生物研究所

鮎沢 大

目標

 ヒト細胞内のmRNA(遺伝子情報の写しでタンパク質のアミノ酸配列を指令する)は数万種類以上合成されているが、各成分のコピー数には大きな偏りが見られ、数個のものから数万個に及ぶものがあります。この研究は、

を目的としています。

 こうした目標が実現されると、特定の組織でどんな種類のmRNAが発現されているかを効率よく、また、もれなく決定できるようになり(cDNAのカタログ化)、ヒトの各組織の特徴づけ(body mapping)に大きく貢献します。

成果

 オリゴ(dT)ラテックス粒子という担体を用いた簡便な方法を開発し、ヒト細胞から精 製したmRNAについて均一化の作業を行った後、均一化cDNAライブラリーの作成を試みました。

 その結果、

図の解説

均一化の操作の前(左)後(右)のmRNAをそれぞれcDNAに変換し、大腸菌ファージベクターへ組み込んだ。シャーレに同数のプラークを形成させ、グロビンmRNAを含むプラークをプラークハイブリダイゼーション法によって検出した。約2桁頻度が低下している。