―コンピュータの中の生物を見よう―

「ヒトゲノム計画とインターネット」講習会

(高校の先生向け)

主催: 文部省科学研究費重点領域研究「ゲノム情報」
    代表者  金久 實(京都大学化学研究所)

日時: 1996年8月22日(木)/23日(金)
    午前10時より午後4時まで
    (22日、23日の講習内容は同じです)

場所: 東京農工大学工学部
    講義室(82番)とワークステーション教室

定員: 22日、23日共40名

対象者:首都圏の高校の先生

参加費:無料

申込み:〆切り 7月26日(金)


先生方へのメッセージ

「ヒトゲノム計画」という言葉を耳にしたことがありますか?
「ヒトゲノム計画」という言葉だけでなく、その内容をご存知ですか?
「ヒトゲノム計画」の成果はコンピュータの中にどんどん蓄積されていますが、
 コンピュータの中の生物のデータを見たり、加工したことがありますか?

「ヒトゲノム計画」とは、ヒトを始めとした様々な生物の遺伝情報を全て、すなわ ちDNAの文字配列を全て明らかにする国際的なプロジェクトです。「ヒトゲノム計 画」の進展によって、あらゆる生物の遺伝情報を完全に解読できる時代に入ってきた のです。このプロジェクトを契機に、従来の生物科学の枠組みが急速に変化していく と考えられています。その変化の一つは、生物の情報がコンピュータに記憶され、新 しい情報処理技術によって新しい事実が明らかになってきている点です。しかしなが ら、「ヒトゲノム計画」で解明しようとしている遺伝情報は膨大で、ヒトの遺伝情報 を充分な精度で完全に読み取るには、今後最低10年はかかると見積られています。 10年といえば、今の高校生が研究の最前線に立つ頃です。そこで私達「ゲノム情報 グループ」では、「ヒトゲノム計画」という言葉や計画の内容を知っていただきたい と考え、高校の先生方に対する講習会を企画しました。

「ヒトゲノム計画」がもたらすデータの情報処理を行う「ゲノム情報」という分野 は、生物学を基本として、情報科学、物理学、化学など様々な研究分野との境界にあ ります。私達の研究グループは5年前から文部省科学研究費の補助金を受け、活動を してきましたが、メンバーの出身はこの研究分野の性格を反映して、実際に情報科学、 生物学、物理学、化学などに広く分布しています。この講習会でも、生物の先生に限 らず、広く理科の先生を対象としたいと考えています。この講習会で科学の流れの最 前線に触れ、教育の参考にしていただければ幸いです。

講習内容

A.講義

10:00〜10:40 ゲノム計画の背景とゲノム解析の実際
              美宅成樹(東京農工大学・教授)
10:40〜11:20 インターネットとデータベース
              高木利久(東京大学・教授)
11:20〜12:00 ゲノムと遺伝子の情報解析
              金久 實(京都大学・教授)

B.コンピュータによる実習

13:30〜16:00 WWWによる生物情報処理の実習

参考図書

(1)金久著「ゲノム情報への招待」共立出版
(2)高木、金久編「ゲノムネットのデータベース利用法」共立出版
(3)松原、中村著「ゲノムを読む」紀伊国屋書店
(4)B.ジョーダン著(美宅訳)「ヒトゲノム計画とは何か」講談社ブルーバックス