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生命系の基本部品である遺伝子(DNA)や遺伝子産物(タンパク質、RNA)の機能は、他の分子との相互作用に基づいている。相互作用に関与する部位は一般に分子構造の一部分であり、これが配列や立体構造のモチーフに反映している。例えばDNAに結合する一群のタンパク質のアミノ酸配列を多数並べてみると、コンセンサス配列あるいは配列モチーフと呼ばれる特徴的なアミノ酸パターンが見られる(上図)。これは機能的に重要なアミノ酸パターンが進化の過程で保存されてきたためであり、構造的にも特徴的なパターン、すなわち構造モチーフと対応しているものも知られている。一般に一次構造上で離れた場所にある保存配列パターンも立体構造上では近傍に集まって機能部位を構成していると考えられる。
機能部位を構成する配列モチーフに関しては、これまでそれぞれの専門家が関連する配列を多数集めてアライメントを作成することにより見いだされてきた。この作業を系統的に行う試みもなされており、例えばタンパク質の機能モチーフに関しては、文献に報告された配列グループからモチーフを精密化して PROSITE というライブラリーが作られている。配列モチーフの表現法としては、コンセンサス配列だけでなく、上図 に示したように他の表現法もある。ここでブロックとはコンセンサス配列の実例を集めたもの、プロファイルとは各位置での20種類のアミノ酸の特徴を定量的に数値で表現したものである。また各位置を独立に扱うのではなく、ある領域全体について配列データの統計的特徴を表現するために判別関数などを用いることもある。