1.ネットワーク原理の解明 | |
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研究内容 | 転写制御ネットワークでは、しばしば一般的な制御因子によるグローバルな制御と、特異的な制御因子によるローカルな制御が複雑に絡み合っており、ネットワークの階層性が見られる。シグナル伝達ネットワークでは、例えば多様なシグナル入力部分と多様な転写因子出力部分が共通のMAPキナーゼカスケードで結ばれており、共通性と多様性が特徴の1つである。物質変換ネットワークでは、化学反応のネットワークと酵素(遺伝子産物)のネットワークは深く関連しており、遺伝情報と物質情報の二面性がある。このようなネットワーク原理とゲノムとの関連を解明することが本研究項目の目的である。 |
研究項目(1) | ネットワーク再構築に関する情報科学研究及び実験研究 金久 實(京都大学化学研究所バイオインフォマティクスセンター) らん藻DNAチップコンソシアム |
研究項目(2) | 最適なネットワークを演繹的に再構築する情報処理技術に関する研究 高木 利久(東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター) |
研究項目(3) | らん藻のネットワーク関連遺伝子群に関する研究 宮野 悟(東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター) |
研究項目(4) | 遺伝子ネットワーク予測に関する情報科学研究及び実験研究 久原 哲(九州大学大学院生物資源環境科学研究府) |
研究項目(5) | 発現プロフィール解析の代謝・排出への応用研究 荻原 淳(グラクソ・スミスクライン株式会社筑波研究所) |
2.情報技術と実験技術の融合 | |
研究内容 | 本研究では、前期3年間でマイクロアレイ実験技術、ならびにそれと融合した情報処理技術を確立し、らん藻と酵母を中心に解析が進んでいる。一方、分子間相互作用ネットワークを解明するためには、タンパク質レベルでの情報が不可欠であり、本研究項目はさらに次のステップとしてタンパク質間相互作用の系統解析に関して、情報技術と融合した新しい実験技術を開発し、おもにらん藻の相互作用ネットワーク解析を行う。 |
研究項目(1) | 2ハイブリッド法による系統的タンパク質間相互作用解析に関する研究 伊藤 隆司(金沢大学がん研究所) |
研究項目(2) | 質量分析法によるタンパク質間相互作用解析に関する研究 谷口 寿章(理化学研究所播磨研究所) |
研究項目(3) | らん藻のタンパク質間相互作用解析に関する実験研究 福澤 秀哉(京都大学大学院生命科学研究科) |
研究項目(4) | らん藻のタンパク質複合体のプロテオーム解析に関する研究 東谷 篤志(東北大学大学院生命科学研究科) |
研究項目(5) | マイクロアレイの解析技術開発に関する研究 浅田起代蔵(宝酒造株式会社バイオ研究所) |