社会との接点の問題など
ゲノム研究の進展と共にその成果の利用が社会的に問題となる場合がいろいろと予測
されます。「研究の中間段階で不治の病の診断だけができるようになったが、治療法
はまだ確立しない時」にはどうすれば良い、将来個人情報がどんどん得られるように
なった時、どのような注意が必要か、ヒトの遺伝子は特許の対象となるか、等はその
一部です。「すぐ役に立つ成果」あるいは「科学にとって重要な成果」を期待するほ
かに、本研究班はこうした問題を研究する組織を作り、予算の一部を充てています。
このほかに、各国の主要なゲノム解析センターを訪問調査する活動、トンネル顕微鏡
等による新技術のゲノム研究への適用可能性の調査、我国におけるDNAや細胞バンク
はどうあるべきか、または遺伝病家系研究者とゲノム研究者の接点をさらに強化する
方策の検討などを総括班活動の一部として行い、あるいは行いつつあります。ニュー
スレターは、研究班参加者のみならず、我国のゲノム研究とその周辺の人々との間に
コミュニケーションの場を提供する我国唯一の定期刊行物であり、毎年開催するワー
クショップは開かれた研究会として広く活用されています。
総括班の重要な活動の一つは自己評価と、将来展望に基づく研究推進の舵取りである
。総括班会議、アドバイザリー委員会、評価委員会などがこの機能を果たしており、
特にH5年1月には評価委員会が開かれて、その結果はH5年度以降の班員構成に反映
されました。